『「スモールビジネス」成功のセオリー90!』より

お金は稼ぐためではなく、使うためにある。お金は使わなければ増えない。相手に喜ばれる使い方をしよう

 引き続き、活きたお金の使い方を見ていきましょう。お金を活かして使うとは、百円を2百円に値するように、あわよくば1万円に値するぐらいの価値として使うことです。どうしたら、そのようなことを実現できるのでしょうか。
 まずその前にこのことを心に明記しておいてください。お金は稼ぐためにあるのではなく使うためにあるということと、お金は使わなければ増えないということの2点です。もちろん、何に使うかによってそのリターンの確率や額は異なってきます。手持ち資金や資金供給源、供給力に限りのあるスモールビジネス経営者は、常に、どのような金額であれ最大限の力を持たせる使い方を考えた上でなければ使わないようにしたいものです。
 それでは、活きたお金の使い方、それはいったいどのような使い方なのでしょうか。
 一つは相手に喜ばれる使い方です。卑近な例としては、うちでがんばる連中が何かの都合で急にお金が必要になったときに、すぐ用立ててあげることがこれにあたります。
 昨年の8月ごろ、知り合いの所に向かう途中で、私はガソリンが少なくなったのでフリーウェイ沿いのガソリンスタンドに飛び込みました。ガソリンを買おうと思ったら財布がありません。仕方がないので店に飛び込み、大きな声で、「ガソリンを買いたいのだけど、誰か5ドル貸してくれませんか」と声をかけました。すると、列に並ぶお客様を相手していたレジ係の黒人の女の子が「いいわよ」とお金を貸してくれて、おかげさまで私は目的地にたどりつくことができました。これはとてもありがたいお金です。翌日そのガソリンスタンドに戻り、借りたお金と同額のお礼を添えて、手土産をおいてきました。それ以降、その地区に行くときは必ずこのガソリンスタンドを利用することにしています。彼女は活きたお金を使ったということになります。
 給料日前はどこもお金が必要です。その時期に商品を仕入れて現金で支払うととても喜ばれます。相手が現金にひっ迫しているときは、何かを買うことにしていますが、相手に喜ばれ、なおかつ良い取引で買い付けできます。どっちみち必要な商品でいつ買ってもいい商品なのですが、そのタイミングを見計らうと、とても喜ばれます。また、資金繰りのあまり良くない取引相手に前金を渡すことにより、相手のビジネスが動きやすくなり、喜ばれています。
 一旗会のメンバーのある方は、以前社長を務めていた会社の創立記念として、アメリカの公園に桜の木を寄付することを考えついて、たくさんの木を寄贈しました。それも匿名で。ロサンゼルス市民が毎年この桜を楽しんでいますが、これもまさに活きたお金の使い方だと思います。
 私の取引業者のあるレストランオーナーは、ホームレスの人間にいつも車を洗わせています。一人の人間の更正に役立つならばということなのでしょうが、これも活きたお金の使い方だと思います。
 2000年、ある日本の大きな会社の系列会社の元社長の方と知り合う機会がありました。彼の会社は業界での競争に敗れ、会社をたたんだそうです。以前は高級住宅地にお住まいの方でしたが、お会いしたときはダウンタウンの近くに引っ越され、家具などを売り払いながら生活していて、かなり生活に困っていらっしゃいました。相手の面子もあると思ったので、お金の融通はやめて、一計を案じ、コンピュータに強い特技を生かしワープロで書類を作ってもらうことを計画しました。たまたま経営セミナーが間近に予定されていたので、急きょそのためのインストラクター用マニュアルを2週間かけて作成し、それをワープロで打っていただくことにしました。タイトルは「困った時にお読みください、経営マニュアル」というものです。
1ページいくらの約束で、数百ページのものを10枚程度完成するごとにピックアップし、お金をお支払いしました。目的は、彼を再起させるための突破口作りで、マニュアルの内容は彼や同じような境遇に置かれたスモールビジネス経営者を勇気づけるためのものでした。会うたびに彼の口が軽くなっていったのを覚えています。このお金の使い方は、とても価値のある使い方だったと自負しています。
 それに引き換え、一部のビジネスや夫婦間で相手をコントロールするための道具としてお金を使う方がいらっしゃいますが、これなどは腐った使い方だと思います。
 もう一つの活かし方は、可能な限り最大のリターンをもたらす使い方です。売れ筋商品に投資し、商品回転率を高めることにより元金を大きく増やす行為は、活きた使い方だと思います。
 飛躍にかける再投資のためにお金を使うのも、活きたお金の使い方です。
 お金は道具です。しかし、それ以上である点が他の道具とは異なっているようです。特にスモールビジネスにあっては命取りになるのもこの道具のせいです。そのような目にあわないためには、まず、無駄な経費や出費をよく管理して、ここぞの勝負どころでお金が最も効率良い仕事ができるように、お金を内部留保しておくことに心配りされるようにおすすめします。
 スモールビジネスは夢を大切に、お客様と社員を大切に、そして現金を大切に。それさえ間違わなければ、必ず未来は開けるはずです。

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